100年後も、ありのままの姿で

【 第3回 新民家部門 】

100年後も、ありのままの姿で

森の中で大きな木々に囲まれた、とても良い環境の中ですが、反面、湿度も高くなりがちで、建物を湿気から守る工夫が大切になります。お施主様も良く学習されていて、コンクリートによる基礎は使わないで!
子供達が、化学物質に敏感なので、建材類は一切使用をしないで!でした。
結局、石場建て・コンクリート未使用・すべて自然素材・木材も100%国産材(杉・桧・松のみ)・防水紙や気密シート未使用等、徹底的にこだわりを注文された家です。

居間は大きな吹き抜けになっていて、太い松の梁が、枠の内という構造になり平面的な剛性を保ちながら、重量感が落ち着いた雰囲気をつくり出しています。
土壁と差し鴨居が整合性を保ちながら軸組をなしています。それを壊さないように、つくりつけの家具が、使い勝って良く収まっています。
二間続きの和室には、床の間・長押・天井材・建具材が、たまたまですが、地域から生産された、滋賀県固有のブランド杉が使われています。
少し閉鎖的な空間に仕上がっていますが、写真奥はお施主さんの寝室になる予定です。
お施主さんのご両親が、「この森の中にててる家は、コンクリートを使わずに、石場建ての家を建てよ」が、遺言だったそうです。
敷地の周りには、あんきょうを施し、地面に空気と水の道を張り巡らし、敷地と建物への湿気に対する配慮を十分にしました。
素材にも、化学物質は排除をし、健康にも気を使いました。漆喰と木組みの構成する空間は、いうまでもなく、ユニバーサルデザインです。
家具も建具も、ほんまもんの息遣いが感じられて、毎日が癒されます。
何年たっても、飽きの来ない愛着の持てる家に住まえることに、関わっていただいた職人さんたちに感謝です。

建設地滋賀県東近江市上羽田町
構造伝統構法
階数平屋
延床面積195㎡
家族構成非公開
会社名