ふたりの住みか

【 新民家部門 】

ふたりの住みか

山林に囲まれた環境の中に建つ新築住宅です。

田舎ですから、まわりは入母屋造りの家が多く、お施主様も代々続く古い家に住んでありましたが、白アリの被害が酷く、新築を選択されました。
山に建つ家は、やはり「木の家」というコンセプトのもと、新建材を要しない地域材で仕上げ、シンプルというイメージを考えました。

拘りは、大口径の大黒柱です。
今時、珍しい「大黒柱」・・・いつまでも永くこの家を支え、家族の中心にご主人があるようにという思いを込めて真中に建てました。
平面的にもシンプルに田の字型を元に平面計画をしました。

建具も全て八女材で造りました。
周囲に広がる山林の豊富な地域材を使用し、違和感なく、まわりと合った感じがします。

和風建築ならではの差し鴨居で力強さを印象付けています。
出入口の内法も2mと高めに設定し、大きい人も通りやすく考えました。
外部も切妻屋根の梁組みとしています。
サイディングは使わず、周りの風景にもマッチするよう杉板の厚張りとしています。
外壁への雨の流れがスムーズになるよう、縦張りで押えブチで仕上げました。
同じ頃に建ち始めた近くの家が、あっという間に先に出来上がりました。
私の家は、じっくり乾燥させた地元の山の材を使い、時間をかけて地元の棟梁に建ててもらいました。
こっそり息子に、50年後にその家とこの家がどう違うか見てみなさい と話してます。

建設地福岡県八女市
構造在来工法
階数平屋
延床面積169.63㎡
家族構成60代夫婦