美山別荘
【 第9回古民家再築部門 】
鹿児島県日置市東市来町にある美山は、400年以上前に朝鮮半島より伝わった薩摩焼の里として歴史のある町で、長い歴史と伝統を、新旧の住民が大切に守り続けている町です。空き家だった古民家を、購入して、穏やかに過ごせる別荘として、再築しました。
改修前古民家再生総合調査を行い、建物のコンディションを確認し、再築工事は、、屋根瓦の取替、外壁の補修、内部の模様替え、外壁面と床は断熱材を設置、古民家の持ち味の陰陽の美を生かす為、既存の障子や襖、ガラスや建具も再利用。更に窓やドアも鋼製建具を使わず、木製の建具を使用し木枠と建具の隙間を防ぐため、建具じゃくりを切込み、内装の仕上げは、珪藻土、漆喰、板壁、タイル、床板はうずくりの杉板、畳、などの自然素材。更に2坪弱の増築を行い、土間、ライブラリーを作り新たな空間と懐かしい居場所もできました、環境に配慮した現代の暮らしに寄り添う古民家の再築が実現できたと思います。
施工前は和室6帖とキッチン付近です、施工後は、ダイニングとキッチンです、和室6帖は、天井を外し梁と平木をそのままの状態で見せています、和室の床は廻りの床より約50㎝下げ古材のテーブルを設置、椅子とローカは約20㎝下げて杉板で回廊と下には、収納スペースを作りました、 キッチンは70㎝下げて土間コンクリートに黒色の色子を混ぜています、その上に古材で作ったスノコを置いています。 |
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床の間の裏側に約1坪の増築をし、ライブラリーとして沢山の書物と静かで落ち着く空間が出来ました。棚の材料は、古材の板で、天井及び床は杉板です。正面には庭を覗ける小窓を付け障子がスライド(上下)することが出来ます。また座席の前は、堀こたつ仕様になっています。 |
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還暦を過ぎ、これまで積み重ねた経験や感覚を「かたちにしたい」との思いから古民家を再生することのしました。 最も大切にしたいのは、古民家の醸し出す空気感です。古民家は私の好きな古い家具や現代アート作品との相性も良く自由でオリジナルな空間づくりを思いっきり楽しめるのではないかと思います、 懐の深い古民家の力を借りて豊かで彩ある暮らしが出来たら良いなと思います。 |
建設地 | 鹿児島県日置市東市来町美山 |
構造 | 伝統構法 |
階数 | 平屋 |
延床面積 | 101.53㎡㎡ |
家族構成 | 60代夫婦 |