福島浜通りの古民家改修再生の家

【 第8回古民家再築部門 】

福島浜通りの古民家改修再生の家

南相馬市の築180年程の改築された古民家に住んでいた施主家族は3.11の大震災の際の原発の事故に依り、郡山市で避難生活をしておりました。
5年程前その施主のS様が帰還許可を得て元の家に戻る際、古い家を解体して新築に建て替えるのではなく、思い入れのある歴史ある古民家を欠点の1つである冬寒くて、使いづらいものを古民家再生でも冬暖かく、水廻りも含めて新築同様に使いやすく居住性能を上げられるので、あればと現地再生して自宅に戻る決断をしました。
断熱サッシをはじめ、屋根等は200mmのセルロース吹込等高断熱仕様とし、大きな吹抜でも薪ストーブで十分暖かい古民家再生を実現しました。
帰ると薪ストーブのそばで燃える炎と現しになった黒光りする梁組みを見ながらゆったりと癒されるリビングの空間がお気に入りのようです。

玄関土間廻り
キッチン・ダイニングルームにある主婦コーナー兼書斎カウンター
住んでみての感想ですが、古民家とは思えないほど暖房冷房が素晴らしく、とても住み心地が良好です。
家は生活の基盤ですので見た目やデザイン的な物も重要かとは思いますが使いやすくて住みやすく、快適性がありなによりもストレスフリーな環境が大事だと感じました。

視野に入る木の優しや、触れて感じる柔らかさ、冬の朝に感じる室内のぬくもり、夏の夕方に思う湿気の無い涼しげな室内
どれもこれも古民家の修復がなければ、話を聞いても理解は難しいでしょう。

実際に住んでみないと…
わかりやすく言えば、自宅のお風呂と温泉の違いの様な差を感じられます。
この家に住むことが出来るのは何にも代えがたい幸福感を感じています。

建設地福島県南相馬市
構造伝統構法
階数二階建て
延床面積190.07㎡
家族構成非公開