白亜の洋館

【 第8回古民家再築部門 】

白亜の洋館

景観は古民家の要素を無くし、洋風な感じに仕上げました。2世帯住宅ですが、玄関は中央に配置し、向かって右側(東側)が若夫婦と子供のLDK、左側(西側)が母親のLDK+寝室となっています。2階は5部屋(主寝室、御主人書斎、子供部屋3部屋)と玄関上部に約10畳のルーフバルコニーがあり、南側の子供部屋からは各部屋のバルコニーと繋がっていて、行き来できるようになっています。気を使ったのは、断熱性能。古民家の欠点として冬の寒さがありますので、サッシは樹脂サッシ(YKK APW330 )を使用し、屋根断熱と
壁断熱は、内断熱(グラスウール16k)と外断熱(ESPボード)のダブルで施工しました。外部のESPボードの上に左官仕上をしましたが、クラックが出にくいという利点もあります。内壁はスペイン漆喰を使用し、調湿効果と共に健康にも配慮しています。床材その他木材はほとんど無垢材を使用しました。構造的には1階の天井が低かった(2100mm程度)ため、20cmほど上げました。2階床組みをプレカットで作成し、既存の躯体に接合させる工事でしたが、これが一番手間を取りました。内装プランに関しては、LDKから各居室、廊下までできるだけ梁をきれいに表せるように間取りをプランニングしました。また重要なことは、耐震改修工事も同時に施工されています。制震ダンパーが14箇所、これもプランの中で苦労した点ですが、景観、構造、機能全てにおいてバランスの取れた施工になったとお持っています。

東側LDK。吹き抜けにしたので、梁の表しが家の中で1番きれいに見えています。また薪ストーブ+ファンの設置により、2階の小窓から2階居室まで空気が循環するようになっています。
主寝室。各居室も同様、写真のように梁をきれいに表すことができました。またアクセントとして壁を1面色を変えてみました。(その他トイレの壁も1,2階とも1面色を変えました)
吹き抜け部の窓(FIX)をランダムに配置。昼間は採光のため、夜は部屋の明かりが漏れ、楽しい景観を演出しています。
お客様は残念ながら写真はNGという事ですが、メールからですが「工期が思ったよりかかってしまいましたが、これから何十年も住むうちの数か月と思ったら納得出来ました。完成した家を見たら、そんな考えも無くなるほどでした。とても満足しています。私たちは床とか壁の色とか見た目ばかり気にしていましたが、見えないところ、例えば構造の事、断熱の事、工事の前に田島さんから説明は受けましたが、正直わかりませんでした。でも住んでみると薪ストーブを消してからも朝まで暖かかったり、びっくりしています。耐震工事も市から補助金がもらえました。ちゃんとした工事じゃないとこういうお金はもらえませんよね。見た目とかデザインとかもちろん満足していますが、私たちの知らない部分までもキチンとしてくれたと思います。本当にありがとうございました。」という言葉をいただきました。

建設地群馬県富岡市上丹生2379
構造伝統構法
階数二階建て
延床面積254.91㎡
家族構成30代夫婦と子供2人と40代母親