200人で改修した元小学校の宿泊施設

【 第6回 古民家再築部門 】

200人で改修した元小学校の宿泊施設

移築されてから約80年経過した元小学校の改修工事です。
小学校は昭和61年に廃校になり宿として使用されています。
今回は建物の老朽化が進み存続が危ぶまれていたため
漏水、耐震、防湿対策を行い建物の保存を行い、又宿としての
魅力を上げるために宿泊室の洋室化を行いました。
建物の良さを最大限に残し性能を上げていくことにポイントを
置いて設計、施工に取り組みました。

●地元の高校生や先生が島の土で壁を仕上げる
改修した客室の壁や、元教室のラウンジには、大三島の赤い土を使っています。
島出身の左官屋さんが山から土を運び、配合や仕様を設計者と職人さんで何度も検討し、実現しました。
また、二階にある元家庭科教室は、多目的に使えるラウンジに改修。島の土と漆喰をまぜた壁は、左官屋さん指導の下、島の高校生たちや現役の先生が一緒になって塗りました。

●小学校の雰囲気を残す
かつて、島内で小学生が通っていた雰囲気をそのまま残すために、
外部の廊下や外壁は当時の素材・空間をできるだけそのまま残しました。
そのせいか、リニューアルした際にここを訪れた島内のおじいさんおばあさんは、
校舎に通っていた当時の様子を「懐かしいなあ」とお話してくれました。
●リニューアル後に行われた島内カップルの結婚式
完成後は、地域の人々の集まりや、島内で結婚したカップルの結婚式など、
宿泊に限らず多くの人に使われています。
古くから島の人たちに愛されてきた建物は、このリニューアルを経て、より多くの人に活用される建物としてあり続けていきます。

建設地愛媛県今治市大三島町宗方
構造在来工法
階数二階建て
延床面積1863.88(施設全体)㎡
家族構成非公開