地域と活きつづける家
【 第6回 古民家再築部門 】

淡路島は古くから国生みの島と謂れがあり、その中心に位置する洲本市本町商店街の一角に築100年を超える古民家「米田邸」があります。
米田邸は出光興産の創業を全面的に支えた日田重太郎氏の次男が暮らしており、重太郎氏もよく訪れていたそうです。その歴史的背景とそれに恥じない意匠のこの建物を地域のために活かしたいという現オーナーの気持ちに共感し、NPO法人が活動の拠点とすることを決めました。そして、その両者の思いを形にする為にアトリエグリュ一級建築士事務所と(株)アイザックアワジ、京都工芸繊維大学の大学院生が共同してプロジェクトチームを結成しました。
私たちが初めてこの場所を訪れた時、阪神淡路大震災により建物は大きく傾きその応急処置として筋交いが張り巡らされ、内部に侵入することも困難な状況でした。その傾きによる荷重は、隣家と外壁を共にする構造上数件分に及にます。また、建物の長い歴史と共に溜まった古書や木の箱などが散乱していました。
しかし店の間・中庭・離れ・蔵を備える町家特有の間取りや、飾り窓や檜の柱など細かな意匠に深い魅力を感じました。
そして私たちは、歴史と意匠に敬意を払いこの先もずっと幅広い方々に使ってもらえるよう、建物を「活かす」ことをテーマとして改修を行なうことにしました。
建設地 | 兵庫県洲本市 |
構造 | 在来工法 |
階数 | 二階建て |
延床面積 | 267㎡ |
家族構成 | なし |
[thankyou]