住み継いでいく家

【 第6回 古民家再築部門 】

住み継いでいく家

 家が蘇った、生き返った。というのが、正直な思いです。
古い、暗い、寒い、住みづらい、不便、様々な理由で古民家が壊されていく。この風潮はどうにかならないものか、と思っていた時に、友人からある相談を受けた。今住んでいる古い家を改築したい、と。
 この家で生まれ育って、出て行った人達の、この家に対する思い、この家ができた時の先祖の誇らしい思い。壊す、という事は、目に見えないこうした思いも壊してしまう。
 残そう、この家を残して、みんなの思いを繋いでいく。可能な限りこの家を住み継いでほしい、という施主の気持ちで、今回の改築工事となりました。

二間続きの和室。
以前は、カーペットが敷いてあった。
畳と襖紙を変え、壁を塗り替えただけで、見違えるほど、立派になりました。
LDK。
以前は、土間のある農作業部屋でした。
天井をはがしたら、素晴らしい梁組が、120年振りに現れました。
見ていて飽きない、と施主の声。
一間幅の縁側。
がらくた置き場でしかも床が抜けていて、滅多に入らなかったそう。
アルミサッシを取り、施主の奥さんの実家で使っていた70年位前の建具を、再使用。
施主、お気に入りの空間となりました。

建設地群馬県太田市
構造在来工法
階数二階建て
延床面積232.31㎡
家族構成50代夫婦と子供1人