住み継ぐ家

【 第5回 古民家再築部門 】

住み継ぐ家

世代を重ねながら100年以上住み継がれている古民家のリノベーションです。
従来の生活スタイルを踏襲しながら、日照、断熱性能、家事動線を改善し、生活空間の質を向上させています。
もともとあった空間を否定して新しい物をつくるのではなく、また昔の空間を過度に復元するのでもない、新旧が調和する空間を目指しました。

普段使う部屋は北側に配され、日中でも薄暗かったので、天窓を二箇所設け北側の安定した光を生活スペースに入れています、これにより光環境が大きく改善しました。
食堂と居間は引込み障子(ソファーの背面に引込み)により間仕切る事ができます。
家自体は広くスペースはふんだんにあるものの収納や水廻りが十分でないために物が溢れてしまい、折角しつらえの良い部屋が活きていないという状況でした。
そこで収納や水廻りの裏方スペースを造り込む事で、この家の持つ本来の魅力をより活かせる様に設計しています。
南側にある仏間、客間を生活スペースに変えることは考えず、今まで住み継がれてきた家の形式を守りつつ現代の生活様式に合わせて改修をしました。
物置だったスペースは薪ストーブとソファーが置かれて人が集まる心地よい場所に変わりました。
薪ストーブはご主人が管理されていて、薪をつくるのは大変な面もありますが、とても楽しんでおられます。

建設地京都府京丹後市大宮町周枳
構造伝統構法
階数二階建て
延床面積改修面積92.85㎡
家族構成60代夫婦