子育て山荘 -築80年、里山に建つ「古民家再生」の物語-
【 第4回 古民家再築部門 】
ほしかったのは、昔、よく遊びにいった「おばあちゃんの家」。
「田舎暮らしを愉しみながら子どもたちを育てたい」、そんな思いで決断した築80年のリノベーション。縁側、障子、太い梁。古民家の良さを全部活かして完成したのは、子どもたちが笑ってしゃべって駆けまわることのできる、毎日が夏休みみたいな家。
引き戸を開け放った軒下の濡れ縁(デッキ)のむこうに里山の鮮やかな緑が目に入ってくる。床に家族で腰をおろして、のんびりとお喋りする。ご施主様が見つけた古民家は、梁や柱に漂う家の年輪と里山の自然が子どもたちを育んでくれる、落ち着いた住まいへと生まれ変わった。 | |
古民家再生ならではの風情あるこの空間で「子どもたちは不思議なほどのびのび過ごしています」と奥様は話す。リビングから縁側へ、庭へと、きょうだい三人が走り回って遊ぶのは日常の光景だ。 | |
遊びつかれて、ふと耳をすませば、木々の葉擦れの音や虫の音が聞こえてくる里山の家。風情ある広いLDKの片側には、きょうだい三人が集まれるアイランドキッチンが庭を望むようにレイアウトされている。ここで気まぐれに開催されるのが奥様の「クッキー作り教室」、練って、伸ばして、生地を作り、可愛い型を押し抜いていく。焼き上がったクッキーは、庭を望む縁側で三人一緒に「いただきます」。まるで毎日が夏休みのようだ。 |
建設地 | 兵庫県宍粟市 |
構造 | 伝統構法 |
階数 | 二階建て |
延床面積 | 170.03㎡ |
家族構成 | 30代夫婦+子ども3人 |