古き良きものを未来へ残す「大津百町スタジオ」
【 第4回 古民家再築部門 】
大津市は、かつて東海道五十三次の宿場町として栄えた歴史ある町。
この築100年の町家も、当時は「木賃宿(きちんやど)」という、商人が素泊まりするための簡素な宿でした。
立派な柱や高級な銘木は使われていませんが、柱に使われていた材料が梁に再利用した跡が見られ、過去の住まい手が材料を無駄にすることなく大切に住み継がれた様子が伺えました。
地元で親しまれてきたこの町家を、私たちの手で未来へ残したい。――そんな想いから「大津百町スタジオプロジェクト」が始まりました。
古民家再生のモデルルームとしてだけでなく、料理教室やギャラリー、集会所など、地域の方々が気軽に集まれる場所として公開しています。
「古き良きものを未来へ残す」という想いを受け継ぎ、大工技術を生かし、柱や梁、建具など使える材料は最大限再利用しました。 古いものと新しいものが調和した、趣のある美しい空間に生まれ変わりました。 |
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通り土間の奥にある中庭。 柔らかい光が差し込み、心地よい風が通り抜けます。 |
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建物の至るところで見られる、古い柱の傷んでいる部分を切り除き、新しい材を継ぐ「根継ぎ」をした柱。 昔からこの町家を知る地域の方々は、「見違える程きれいになったが、当時の面影も残っていて、懐かしい」と仰います。 |
建設地 | 滋賀県大津市 |
構造 | 在来工法 |
階数 | 二階建て |
延床面積 | 100.92㎡ |
家族構成 | 地域の方々 |