やつおの家(讃岐の古民家)

【 第3回 古民家再築部門 】

やつおの家(讃岐の古民家)

やつおの家は、香川県の丸亀から三豊・観音寺に至る中西讃地区の伝統的な日本家屋です。その名称は、「お=尾すなわち屋根の稜線」が「やっつ=8つ」存在することから付けられました。そして、現在では伝統的な日本家屋の総称として使われており、8つ以上の尾を持つ家も珍しくありません。そんなやつおの母屋には、90歳を超える祖父母が主に生活されており、50代のご夫婦と息子は同敷地内の平屋で生活していました。また、水廻りは母屋で共有しており、食事や風呂に行く際は一度外に出て母屋に行かれていました。この度、リフォームを計画された動機としては、祖父母の健康に配慮された住み心地の良い家にしたいという想いと、これから介護が必要になってくると思われる祖父母を、目が届くところから見守りたいというご夫婦の想いからでした。築62年の生家は、祖父母の父が自分の山の木を切って建てた家であり、ご家族みんながこの家を残したいという想いから古民家再生を行いました。

既存の趣のある丸太梁を残しつつ、解放感を感じられるようにリビングからロフト部屋(父の部屋)を仕切り無しの空間にしました。ロフトへの階段は、見せる階段とし、古い中に新しさを取り入れました。階段下にはTVを設置し、28畳の広々したLDKでは、ゆっくりと家族みんなが過ごせます。ロフトからも家族を感じられるようにしました。天井・床仕上げ材には無垢の木を貼り、家族みんなが健康で長生きできるように自然素材にこだわった仕上げにしました。
玄関からリビングへの組子ドアは、既存の引き戸の組子を建具屋に取り出してもらい、新しいドアに生まれ変わりました。玄関には、全て既存戸を再生させた物を使用することで、古い趣を残しました。
【お施主様の声】62年もの間、家族みんなを守ってくれた家が、これからも守り続けてくれることに感動しました。外観・内観ともに大満足です。これから実際にここで生活するのだと思うと、とても楽しみです。ありがとうございました。

建設地香川県三豊市山本町
構造伝統構法
階数二階建て
延床面積209.58㎡㎡
家族構成50代夫婦と90代祖父母と20代次男と20代三男
会社名