長浜の家・建築ダイエット
【 第3回 古民家再築部門 】
若いご夫婦の負担にならないように、適正な規模に減築することからはじめました。
その上で、町屋カフェのような吹抜け。親子で並んで料理ができるキッチン。かっこいい出格子。井戸で冷やされたスイカ。芝生を走る子供。図書館のような本棚。・・・と生活イメージで対話し、整理したものを落とし込んでいます。
もちろん傷んだり、日焼けしたり、らくがきした古い部分が、家の歴史を物語る魅力ある自慢になるように、古い建具やガラス、床板、金物などを活かしています。
むかしなら、寒くて天井を張らなければ快適ではなかったかもしれませんが、現代では床暖房のような設備により、本来古民家がもっていたダイナミックな空間として再生される時代になってきたのだと思います。
おばあちゃんの金物屋さんのお店部分であった道路に面する1階はすべてアルミサッシが並んでいました。 バランスよく耐力壁を新設するだけでなく、通行人の気配を配慮したダイニングの高窓+格子、旦那さまの希望であった書斎コーナー+出格子を設けることで、外壁に陰影をつくりだしています。 玄関は通り土間を経て、裏庭まで通り抜けできます。 |
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道路から裏庭にぬける通り土間を復元しました。 減築したことで裏庭が広くなり、風通し、採光を確保し、北側エリアと南側エリアに分けています。 北側は夏場に吹き抜けのある別荘のような非日常的なごろごろできる場所として、南側は寒い冬場コンパクトに生活できる日常的なごろごろできる空間として使い分けることを提案しています。 |
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撤去した天井裏から、仕上げられた古い天井が出現。急遽、そのまま活かして残しました。 こういったラッキーな出会いがあるから、改修工事は楽しい。 キッチン背面のモザイクタイルはたくさんのサンプルの中から決定。 よく見れば奥様のピアスと同じ色。 好きなものに囲まれて生活されています。 |
建設地 | 滋賀県長浜市 |
構造 | 伝統構法 |
階数 | 二階建て |
延床面積 | 176.22㎡ |
家族構成 | 20代夫婦と子供1人 |
会社名 |