雁木通りに繋がる町家の佇まいを蘇らせる

【 第3回 古民家再築部門 】

雁木通りに繋がる町家の佇まいを蘇らせる

【上写真:天井裏に隠れていた小屋梁を表しにした階段室】

歴史ある町家が軒を連ねる雁木通りで、先祖から受け継がれた民家を蘇らせました。
関わる一人ひとりの思いや伝統文化を大切にしながら再生した古民家です。
地域固有の景観や趣きを残しながらも、新築に劣らない機能性・快適性を合わせ持っています。

この建物では、まちなみ修景のモデル事業として、市の助成を受けることが出来ました。
個々の建物蘇生・再生の事例が連鎖してゆき、まちを活性化させる動きに繋がってゆけば良いと考えています。

施主様の思い入れや予算に配慮して、既存で使える部分は極力生かしつつも、基礎新設、軸組補強、外張り断熱など、新築と比べて遜色ない性能を確保することに苦心しました。
基礎を新設するために、既存建物を一時的に曳家しました。、基礎新設後、再度曳家して元の位置に戻しています。

【左写真:ゲストリビング】
トップライトを設けたゲストリビングは、日中に照明が不要なほどの明るさと、中間期は空調がいらないほどの通風を確保しました。
【左写真:ゲストリビング】
町家造りの特徴を生かし、吹抜のミセはゲストリビングとしました。古民家の佇まいと薪ストーブがお客様を迎え入れます。プライベートなリビングを別に設け、ゲストとプライベートで動線を分離しているため、施主様はお客様に気兼ねなくくつろいでいただけます。
【左写真:外観】
仏壇通りとして名高い飯山愛宕町の北に位置し、かつては雁木を構えた町家でした。外観はしっくい塗りの外壁、下見板張り、窓の格子などを設け、雁木通りの趣きを蘇らせました。
一晩に1m以上積もるような豪雪地であるため、雪対策として屋根には散水融雪を設けていますが、まちなみに溶け込む景観となるよう工夫しました。

建設地長野県飯山市
構造伝統構法
階数二階建て
延床面積202.81㎡
家族構成非公開
会社名