築130年の家・歴史を尊重した改築 

【 第3回 古民家再築部門 】

築130年の家・歴史を尊重した改築 

熊本県山都町御所に当該地はあります。
皇族の墓があった事が地名の由来であると言い伝えられる土地に、100年以上にわたって住み続けられた歴史ある家です。
また同じだけ住み続けられることを願っての大改修でした。古くから続くものを尊重し、新しいものはそれに寄り添うように計画しました。
この家の歴史を伝え、誇りを伝えていくためです。

おじいちゃんが毎日ひげをそる為にお湯を沸かします。
豆を煮たりもち米を蒸したり今でも使われています。
昔は、冬に牛に飲ませる水を温めていたそうです。
改修にあたって使いやすいように整理しました。
柱・梁等の構造材に関して劣化・傷みはみられなかったものの、調査によりわかった建物のねじれ・傾きを改善するべきと判断しました。
もともと開口部が多く構造的に不利な間取りであったので貫を入れ直し、さらに筋違いを適宜配置し、初期強度を上げるように努めました。
構造の主体となっている2階床梁直下にRC壁をつくり、アンカーで緊結し建物全体の構造強度の向上を図っています。
ススで黒くなった既存の梁・柱の架構が見えます。黄色味がかった新しい梁は小屋構造を補強するためです。

建設地熊本県上益城郡山都町
構造伝統構法
階数二階建て
延床面積230㎡
家族構成ご両親+50代ご夫婦+子供さん3人
会社名