古民家再築工事

【 第3回 古民家再築部門 】

古民家再築工事

築120年の茅葺古民家です。滋賀ではびわ湖の関係で古くからヨシを使って屋根葺をしていました。しかし地域での結の文化がなくなり、維持管理の面などで昭和41年頃からトタン(板金)拭きに変わっていきました。
屋根勾配がきつく補修工事に特殊な足場を組まなければできません。板金も既製品はなくほとんど手作り加工するところが大変でした。

21年前にリホーム工事されていて、入口はほとんどアルミサッシ、側面はタイルとモルタル塗りで仕上げられていました。ここをすべて古材を利用して再築した所が苦労の始まりです。玄関は家の顔、古材でも古建具でも修繕して使えば立派な材料。見てください古材特有の雰囲気を醸し出しているでしょう。ここでは玄関引き戸と腰板が同じ材料で同じ構法で仕上げてみました。
玄関建具の框を補強し修繕してはめ込みました。この建具も他の古民家からチョイスして物なので、当然下敷きから鴨居、戸当たり、柱まで加工しなければ収まりませんね。ここがポイントで大工の腕の見せ所です。
最後まで信じられないと。そうですよ内装材も90%古材ですからね。漆喰は外部の仕上げ材と思っておられたみたいで、内装に使う発想が凄いと褒められました。キッチンのテーブル、調味料入れ、カウンター、テーブルなどの特注家具まで古材(地松)を使用。若い職人達が古材は堅くノミ切れが悪いために苦労の連続だったようです。

建設地滋賀県長浜市西上坂町557
構造伝統構法
階数平屋
延床面積122.45㎡
家族構成50代夫婦と子供3人
会社名