しんしろの家 古民家再生
【 第3回 古民家再築部門 】
現況の姿を崩すことなく以前無理に増築してある部分を撤去して伝統構法部分だけを残し、更に一部増築しての古民家再生工事としました。
温熱環境について
夏場の通気等は古民家の特性を活かして開口部は以前のままです。アルミサッシに全て交換して網戸の整備もおこないました。
冬場の断熱については窓をアルミサッシに取り換えペアガラスと断熱雨戸とし窓からの熱損失を抑え、床下と天井裏・屋根直下部分に高性能の断熱材を敷き詰めました。
古民家の性質上、土壁からのすきま風は多少入りますが以前より快適に住まわれると思います。尚且つ薪ストーブ・薪釜を使用していますので暖房での自然吸気・排気に役立てています。
また薪ストーブ・薪釜を使うことにより土壁全体への蓄熱作用が期待できています。
構造補強について
古民家の持つ間取りが壊されないように軸組はそのままです。
調査後、構造の腐食などの老朽化の箇所が少なかったため土壁の壁量も当時のままとし、地震時の倒壊による人命の危機を避けれるように軸組の床下部分に足固めを全てのグリット内に入れ込み補強いたしました。
以前の台所部分はたたき土間でしたが生活スタイルの改善から釜やを撤去し天竜杉で床を張り、システムキッチンをセットして現代の暮らし同様の機能を持つように改装いたしました。 また居間部分は踏み天井でしたが根太・天井板を撤去し大きな吹き抜け空間を創り、釜や部分と居間部分の吹き抜けを繋げ、薪ストーブでの暖房効果で部屋中を暖かく保つようにこちらも改装いたしました。 |
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浴室を全面改装し、壁・天井には桧板張り、床はモザイクタイル張りとしています。 浴室は太陽熱温水器を以前から利用にていましたので使い勝手が変わらないように商品を交換して浴槽内のみに太陽熱で温められたお湯を溜めれるようにしてあります。 また冬場は太陽熱での温水が冷めてしまうので薪釜を採用し循環追い炊きとして利用、また室内の勝手口に薪釜をセットしてありますので室内暖房と2つの機能を持たしてあります。 浴室外側は小さい中庭を創りお風呂に入りながら眺められる空間を木製塀で囲い創りました。 |
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定年退職して実家であるこの地に帰って来れたことがうれしく思えます。 古民家再生工事は新築工事に比べ大変で職人さんたちの技術に脱帽です。 間取り、温熱環境を改善したので以前とは比べものにならないくらいの快適さになっています。 |
建設地 | 愛知県新城市豊岡 |
構造 | 伝統構法 |
階数 | 二階建て |
延床面積 | 216.50㎡ |
家族構成 | 60代夫婦 |
会社名 |