築100年、新しい家族を迎える家
【 古民家再築部門 】

築100年を超える、古民家。のどかな筑豊地域に建つこの家を購入されたご家族は、建て直しも考え、新築にする場合と古民家再生をする場合の工事費、税の控除、補助金などを比較検討したうえで、古民家再生を選びました。
そこからまずは耐震診断を行い、既存の状態を確認し、基礎のやり換え、耐力壁の増設を行い、耐震構造としていきました。温熱環境は、高性能断熱材を床・壁・天井に隙間なく充填し、劣化した木製窓はペアサッシに取替え、床暖房と薪ストーブを設置することで全体の性能を上げていきました。
プランでは、奥様の「庭を見ながら料理がしたい」とのご希望から、10畳の大広間だった場所をダイニングキッチンとし、家の新たな中心的存在に設えました。
リビングの上部は吹き抜けにし、ダイナミックな梁を現して、明るさと広がりを生み出しています。当時の欄間や建具、床の間の違い棚などは、繊細な意匠で素晴らしいものが多かったので、修復して引き戸や間接照明、カウンターに再利用しました。
仕上げに、ご家族らしさをエッセンスとして加え、古民家の圧倒的な存在感とのバランスを大事にしました。薪割りや草刈り、DIYもお得意なご家族は、時間をかけてゆっくりと手を入れられています。ようやく室内の塗装も終わり、完成しました。
これからまた100年、大事に、住み継がれていきますように。
建設地 | 福岡県嘉麻市 |
構造 | 伝統構法 |
階数 | 二階建て |
延床面積 | 199.6㎡ |
家族構成 | 非公開 |