『 継 承 』上棟明治16年 家・家族の歴史未来へ
【 古民家再築部門 】

【はじめに】 《上外観写真:竣工後撮影》
時代が移りゆく中で現代の日本人の心の中から忘れられてしまいそうな文化が二つあります。
農耕民族の日本人が品種改良をしながらた培った日本の『米』。四季がある日本の住環境に適し、光と影の中に美しさがある『日本家屋』 自国の培ってきた素晴らしい文化に目を向けるのではなく、海外の文化ばかりに目を向けてしまっている現代の日本人
なぜに、現代の日本人が自分の国の自慢できる美徳や文化を放そうとしているのか・・・
2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、茨城県内の、残せる、残したい歴史的価値の高い建物の多くが解体処分されてしましました。
その多くが、地場の材を使用し意匠、構造(木組み)どちらも素晴らしいものが多くあり、手を入れれば修復可能であったにも関わらず・・・根本修復できる技能者不足の現実と歴史的建物(古い建物)は危険といった誤った解釈から。
【本建物修復への至り】
H家上棟:明治16年(西暦1883年)
H家8代当主が当時10~15年の歳月を掛け、構造材は地山より切り出し当家の目の前の湖畔にて原木を水中乾燥し、製材された躯体は歳月を重ねた建物のなかでも大変素晴らしいものでした。
H家130年の歴史のなかで、関東大震災、東日本大震災と二度に渡る震災にも耐え家族を護ったこの家、現在の当主(13代)も先祖が守り、引継いだこの建物を、意匠は崩さず現代の生活スタイルに合わせた間取りへ変え継承したく上棟時の姿まで戻し(柱残し他全解体)全面修復工事を選びました。
躯体補強を行い(基礎から)耐震性能を現行法まで向上。外部建具類も全てアルミサッシを入れ断熱等の性能を向上させながらも意匠を保持させるため戸袋は木製の制作戸袋とし、外壁も簓子下見板張り+漆喰仕上とし、意匠は以前にまして竣工当時の面影を反映しました。
《残したいものは、H家先祖より引継がれし想い、今を生きる家族、これからの未来への継承。》
建設地 | 茨城県潮来市 |
構造 | 伝統構法 |
階数 | 平屋 |
延床面積 | 190.61㎡ |
家族構成 | 60代祖母と、40代ご夫婦、20代10代の子供達、 |
会社名 |