築90年超の木造文化財の復原再築

【 第9回古民家再築部門 】

築90年超の木造文化財の復原再築

都内で2番目に古い木造駅舎の復原再築プロジェクト。JR中央線の高架化に伴い解体の憂き目にあった木造駅舎を、国立市が市民の声を受けて、軸組部材と主要仕上を保存、都心の駅前・防火地域での再築の為、文化財指定を受け・建築基準法適用除外の手続(法3条1項4号)・建築審査会・駅前土地取得と度重なるハードルをクリア、10余年の契機を経て再築の運びとなった。保存部材を1点1点調査、部材の腐朽程度を選別、必要な部分には継手・仕口の繕いを行い古材を再生、保存部材の約70%の高い再利用率を達成。創建当初の矩計図・古写真・同時代建物や技術を調査、創建当初の大正15年の内外を再現。また、現在のニーズを受けて耐震補強・全館空調を復原意匠を優先に、見えなくする納まりを工夫し解決した。また、不要な古材・古レールを家具等に転用、この建物ならではのアイテムもデザインしている。貴重な文化財を生かすために、サスティナブルなアイディアを終結させ再生している。

棟上げ直前の建方の施工記録、古材再利用と繕いの状況の全容が見える
内部は創建当初の意匠復原の他に、解体・復原時に不要となった古材をインテリアに再利用。
不要古材は、剥ぎ合わせてベンチの天板に再利用。
古レールが、当時のメーカー刻印を活用して展示ケースに再利用。
駅前の憩いの場として、市民の皆様に利用して頂き好評を頂いています。

建設地東京都国立市
構造在来工法
階数平屋
延床面積199.13㎡
家族構成非公開