角田古民家現地再生の家

【 第10回古民家再築部門 】

角田古民家現地再生の家

山里にある築100年の古民家を、地場産の木材を用いて地域の職人の施工による地産地消をコンセプトにフルリノベーションした。
古材をできるだけ現わしとし、老朽化した一部の柱や床は県産材を使って作り替えることで、この地域の木の香り・温もりとこの家や家族の歴史を感じられる空間づくりを目指した。
間取りや設備・断熱等の性能面についても現代の生活で快適に過ごせるように改修した。

ご両親の住む隣接するS造2階建住宅と、若夫婦世帯の住む当該住宅との接点に、玄関から続く土間を設けて繋ぎ、そこに薪ストーブを設置して2世帯の憩いの接点スペースとなるよう設計した。
また土間には可動式のブリッジを架け、隣接するS造住宅側に土間を渡って入れるようにした。懐の高い古民家の小屋裏を利用し、吹抜や一部ロフトとし、明るく開放感のある居住空間を創出した。
既存の建具や床板を再利用したり、既存の板戸収納を調理器具の収納キャビネットに改修するなど、古いものを可能な限り蘇らせた。
・昔の職人の手業の跡が残る梁や柱などの古材をできるだけ残し、木の質感と家の歴史を感じられるようにすることで古い木造住宅の良さを残したかった。
・木の香りと温もりを感じる。杉の床材の変化を楽しんでいる。いつも素足で過ごしたい。
・幼い子供がいるが、安心して遊ばせることができる。
・天窓や大きな開口部のおかげで、明るく開放感のある居住空間ができた。庭の様子がよく見えて四季の移り変わりを、以前に増してよく感じられるようになった。

建設地宮城県角田市
構造伝統構法
階数平屋
延床面積144.14㎡
家族構成30代夫婦と子供