秩父番場町プロジェクト~昭和レトロな街並みの古民家再生プロジェクト
【 第10回古民家再築部門 】

秩父神社の参道である”番場通り”には戦前のモダンな建物や看板建築が残っています。
この街並みに、永らく空き家だったこの建物を再生したいという施主の強い思いから今回のプロジェクトはスタートしました。
街並みに溶け込むように佇み、この場所を拠点に番場の食や文化、人に触れ、番場の街を楽しみながら知っていただきたい。そんな想いを込め、過去と未来をつなぐ景色を歩ける、「古民家ステイで街を楽しむ」をコンセプトにしています。施主からは「街を楽しむ、街に泊まる」をテーマとして、近隣飲食店舗をはじめとする
地域との連携を目的とした観光案内所併設型簡易宿所のご依頼を頂きました。
外観の魅力を引き出すために、秩父神社の参道としての位置付け、看板建築の外観要素となる2階部分はそのまま活用しました。1階部分には新しさを加えながら参道に面した玄関の広い間口を活かし、開放的で入りやすい外観としました。
内部機能面では耐震・遮音に配慮しながら築154年の既存の古民家の魅力を活かした空間提案を行い、それぞれの部屋の個性を表す「蔵」・「庭」・「小屋組」という客室名としています。施設利用者が自由気ままに過ごせるよう、そして施設運営者が人手をなるべくかけなくできるようセルフサービスを主題とした宿づくりを目指しました。セルフチェックイン、セルフサービスカウンター、セルフ布団敷用の収納などを採用し、使いやすさやと分かりやすさに配慮した提案としました。
令和元年7月から本格的に動き出した本プロジェクトは4年の歳月を経て、街を楽しみ、街に泊まるホテル「番場おおそね」、お芋スイーツを通して新しい秩父と交流する立ち寄りスポット「芋うらら」として再生しました。
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客室「小屋組」/既存建具をリメイクし内照式のヘッドボードとして活用。 |
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客室「蔵」 /蔵をメゾネット客室として活用。蔵内の 2階既存床板を外して吹抜空間を提案。 |
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客室「小屋組」/共用階段・共用貸切風呂 /既存の天井板を外し小屋組みを 見せる 客室 を提案。 |
建設地 | 埼玉県秩父市番場町 |
構造 | 伝統構法 |
階数 | 二階建て |
延床面積 | 330.54㎡ |
家族構成 | 非公開 |