職人浪漫の家
【 第10回古民家再築部門 】

高齢になったこの家の所有者から「あなたなら良いようにしてくれるだろう」そう託され預かった古民家でした。
長く空き家となっていて、家の傷みも随分ひどかったけれど、持ち主の思いとこの家を建てた職人の思いがこのご縁を繋いでくれました。
今の住宅では見ることの少なくなった大きな材でできた昔ながらの古い家。
自然界で自由にのびのびと大きく育った松を丸のまま使った梁には、かつての職人たちの一振り一振り手斧の跡が生きている。
”大正十五年九月十二日”
棟木には、上棟日と施主、携わった職人たちの名前がリアルに明記されていて、今にも彼らが声を上げてくるかのように家の息吹を感じます。
地域の様々な建物を建ててこられた名のある棟梁が建てた家でした。
「古ければ古いほどいいんです」
「長く住まえる家がいいんです」
お施主となるお若いご夫婦が求めていた家でした。
古民家を大切にしてくださる方とのご縁の瞬間。
建設地 | 福岡県八女市上陽町 |
構造 | 伝統構法 |
階数 | 二階建て |
延床面積 | 187.83㎡ |
家族構成 | 20代ご夫婦 |