曳家をともなう古民家ゲストハウスの再築/沢のいえ
【 第10回古民家再築部門 】

オーナー、曳家工事業者、施工工務店、設計者の希望と知見を総動員した「曳家を伴った古民家の再築:再生」です。
山間のどかな立地、敷地境界に沿って沢筋がありせせらぎの音さえ縁側には届きます。
広い敷地内には、オーナーが居住するに十分な別棟が既存しており、本計画はこれまで受け継いできた旧家・古民家の母屋を解体し、伝統工法でゲストハウスとして再建する予定から始まりました。
過去に数回の増改築の手が入っておりながら、その核たる躯体には無下に喪失するにはあまりにも惜しい先人の匠がありました。
設計者と施工工務店とは既に2、3案件の古民家再生の協働実績がありましたので、再築:再生を提案させていただいた次第。
さらにオーナー旧知の曳家工事業者(今回基礎工事も全面担当)も動員されて配置の変更も実現させる事となりました。
敷地内を工程に応じて縦横にオフセット移動。X、Y、Z座標方向へ…日本の木造建築工法の機動力の妙に触れ感慨深いです。
設計者としては「レスタウロ」巧者の先人カルロ・スカルパの、古き良き物を素材のひとつと扱う精神を憶い、臨みました。
建設地 | 福島県いわき市内郷高野町 |
構造 | 在来工法 |
階数 | 平屋 |
延床面積 | 157.70㎡ |
家族構成 | 非公開 |