里山で御両親の思いを孫達へ繋ぐ

【 第10回古民家再築部門 】

里山で御両親の思いを孫達へ繋ぐ

 現在は、約20年ほど前に福岡県糸島市に、新築住宅を建てて住んでますが、夫婦共に定年退職され御主人が高校生まで過ごした実家が、お母様が一昨年お亡くなりに空き家となった築150年を超えた古民家ですが、15-20年前に瓦を葺き替えて構造もしっかりはしてますが、すぐ南側に山があり、冬場は昼の数時間しか日が当たらない非常に日当たりが悪く、北側の道路の反対側も相続した畑なので、そちらに瓦や建具等使える材料は再利用して、また昭和30年頃に先祖代々守ってきた現在も相続した、山から自生してる木を切り倒して床材にした、二階の勉強部屋の床材も再利用して建てて欲しい。しかし、隣に昭和40年頃に両親が趣味で、お茶室を建ててますが、待合室の天井材と下駄箱が屋久杉板で仕上げられてるのも再利用して欲しいし、四畳半のお茶室はそのまま、移築して新しい建物に繋げて欲しい。仏壇が古い物で、大型サイズなので、そのまま再生して欲しいし、照明器具も灯具類が古い硝子製なので、そのまま利用して欲しい。

昭和40年頃に建てられたお茶室の待合室の天井板に、屋久杉を使用してあり新築玄関の天井板として再利用しました。構造は木造軸組の内部真壁、木の温かみを感じれる部屋にしました。外部の付柱と付梁には、杉を特別に製材した化粧板を使用し木肌が見える防腐剤を塗布しました。外部大壁だけど漆喰風とし、建築場所が山中なので、壁の中の断熱材も高性能な物にしてます。昭和30年頃先祖代々守ってきた山に自生してる木を切り倒して材料として使用した、元々平屋の古民家に二階の勉強部屋として増築され、長く使用されてた檜の床板を一枚一枚綺麗に生け捕り解体し、新しい建物の御主人の床板へと再利用する際に元々塗装仕上げしてありましたが、塗装を剥がして板肌を見えるようにし、学生時代に過ごした勉強部屋の面影を思い出しつつ、檜の香りがし今後末永く過ごして頂きたく利用しました。
昭和40年頃に御両親の趣味が高じて建てられたお茶室棟のお茶室(4.5畳)は、そのまま移築をして新築母屋建物に繋げて欲しい。移築はそのまま移築しましたが、再利用材を使用するにあたり、照明用の穴が、新規の照明の配線出し口になるように、張る位置にもこだわり、また材料が寸足らずや部屋の途中で新材とならないように、新築建物の間取りにも気を付けながら、実施設計を行いました。
真壁の部屋から見える柱は、柾目になるように努力して加工してます。本来木の南側を南に向けて使用するのが、基本とは思いますが施主には長く部屋面の柱が、主に見えるので、そちらを主に考えて施工しました。
構造材に古材を使用したくない(耐震性に不安)と言われたので、当初は普通の平屋の切妻屋根でしたが、北側半分を高くして台所と隣の洋室を高天井にし、高い位置に古材を渡して、意匠梁と古材も再利用し、洗面所、風呂、洋室の上に小屋裏部屋が出来て、保護猫を飼ってあり、御夫婦共に床に物を置くのを嫌われてるので、倉庫代わりの部屋もできました。
「誰も住まなくなった(江戸時代末期に建てられた)実家が朽ちていくのを見るに忍びない」と夫が言うので、思い切ってすぐ近くの所有地に新築(&移築)しました。7ヶ月位かかり完成(*•̀ᴗ•́*)
先日、引き渡しの際、お世話になった工務店の社長さんから、お祝いに、有田焼の食器をたくさん頂きました。私達夫婦に合わせて、猫ちゃんづくし
*\(^o^)/*゚+。:.゚おぉ(*゚O゚ *)ぉぉ゚.:。+゚滅茶苦茶嬉しいです!!
これから少しずつ住みやすくしていこうと思います。庭も手作りしていく予定。長生きせねば!!

建設地佐賀県佐賀市大和町
構造在来工法
階数平屋
延床面積115.13㎡
家族構成60代ご夫婦