ずっと京町家
【 第10回古民家再築部門 】

年々数を減らす京町家を残す・受け継ぐ為にはどうすればいいのか。
お施主様のこんな思いを受けて、古く朽ちていくのをただ待っているだけの京町家をこの先もずっと残してく為に3つの視点で提案した。
まず第一に耐震。
構造的な改修をせずに表面だけ改修しても建物の寿命はいずれやって来くるので、伝統工法の京町家をこれからも安心して受け継ぐ為に、制震ダンパー等を用いて構造補強を行い、これからも続く安心を。
次に伝統的な意匠。
構造的な改修の他にも京町家ならではの意匠を守ることは大切な要素だと考え、高度成長期によく見られたモルタルのかけ落しにリフォームされていた外観を格子窓や漆喰壁などを再施工して古くからの町屋の意匠を受け継ぐ。
そして時代に合わせて変化する。
いくら古い物や伝統を守ると言っても現役世代の生活スタイルに合わなければ住居としての魅力はなくなるので、時代に合わせて変えていくべき所は変えて行く。
こんな風に、住む人と造り手が伝統を守りつつ、時代に合わせて変化しながら受け継いで行く文化が根付けばと言う思いを込めた。
建設地 | 京都府京都市伏見区淀木津町 |
構造 | 伝統構法 |
階数 | 二階建て |
延床面積 | 99.77㎡ |
家族構成 | 非公開 |