農家民宿 山いちご

【 第10回古民家再築部門 】

農家民宿 山いちご

古色蒼然とした梁や柱と真っ白の漆喰壁との対比が美しい懐かしさを感じる外観。
「農家民宿 山いちご」は築120年の歴史ある古民家をリノベーションした民宿です。
長らく東京住まいだったオーナー様は、老朽化したご実家を建て直すのか、リノベーションするのかを悩んだ末、当社と出会いリノベーションを決意。
以前から農家民宿の経営に興味があったことから、宿として生まれ変わらせるための古民家再生計画がスタートしました。
老朽化した建物を未来へ残すために、古民家にあった耐震性を確保すべく耐震ダンパーを設置し耐震補強を行いました。
そして玄関を開けてすぐ目に飛び込んでくる広々とした吹き抜けのロビー。以前は天井があった部分を吹き抜けにしたことで重厚感のある立派な梁が見え、開放的で趣たっぷりの空間になりました。
訪れた人はこの梁や空間に感嘆し、快適さも考えられた民宿に満足して帰られます。
そして国内からのみならず、一棟貸しの古民家を体感したいと海外からのお客様も増えています。
120年の歴史ある農家は、農家民宿として生まれ変わり、これからは多くの旅行客にゆったりとしたひとときを届け、歴史を創っていきます。

雪国の豪雪に耐える大きな欅の梁の木組みを表しにしています。
また、この先も価値ある古民家を残していくために、壁内は耐震ダンパーで耐震補強を施しています。
2階スペースはお施主様のこだわりの一つ。昭和レトロな展示スペースになっています。
今では見慣れない品々に国内外の宿泊客から目を引かれます。
この家は自分には身近なところだったこともあり、当初どれだけ貴重なのか分かりませんでした。
そこで、築120年にもなる老朽化した実家をどうしたらよいものかと町役場に相談したところ、推薦してもらったのが、松田工務店さんです。これほど立派な木材はもう手に入らない。身近な家でしたがとても貴重なものだと認識しました。これからも大切にしたいという思いでリノベーションを決意しました。
また、せっかくのリノベーションだったので、もともと興味があった農家民宿を始めることにしました。その際、一番こだわったことは、泊まりに来るお客様に快適に過ごしていただけるよう水回り設備を最新のもので、一般的な住宅より一回り大きなものにしたことです。建物の意匠や耐震性、断熱性といったことは、松田工務店さんに一任し、大変満足いくものとなりました。
経験のない中で始めた民宿の運営は、異文化の方との交流や集落の方たちから理解を得ることなど、困難の連続です。まだまだ道半ばではありますが、これからも多くの人に「山いちご」を通して喜んでいってもらえるよう、また「山いちご」を後世に残していけるよう邁進してまいります。

建設地福井県丹生郡越前町
構造伝統構法
階数二階建て
延床面積262.3㎡
家族構成民泊施設