先祖代々から引き継いだものを鏤めたモダンな家

【 第10回古材リユース部門 】

先祖代々から引き継いだものを鏤めたモダンな家

築150年の先祖代々から引き継いだ家の大黒柱や梁、床板、欄間、板戸、框などを修復して再利用できるものは余すところなく使い、新たな息吹を吹き込み家中のいたるところに鏤めました。また書院や神棚、仏壇なども多少手をいれましたが、長い年月を旧家と過ごしたそのままの姿で新しい家に溶け込んでいます。また木材に限らず門に使っていた大谷石は玄関の柱や壁に装飾を加えて存在感を表し、たくさんの屋根瓦も、木が鬱蒼と茂っていて雨樋を設けてもすぐ詰まってしまうので、砂利敷きの土留として家の周りをぐるりとかこんでいます。もちろん新しく作った井戸屋形の屋根にも再利用をしています。
新しいものの融合としては、リビングルームにモダンな鉄骨階段を設け、折り上げ天井には間接照明を配置しました。廊下に面する扉は黒のアルミフレームのガラスドアを採用し、ヴェネチアンガラスを間仕切り壁に嵌め込んだりと、和と洋 古いものと新しいものとを融合させた家となりました。

和室8畳+6畳
柱や差鴨居は磨き、欄間や障子は修復し、鶴の板戸は高さを付け足しています。(鶴の裏側は雀の絵が描かれています)。神棚や仏壇も旧家のそのものを丁寧に掃除して置いています。特に仏壇の位置は、緑いっぱいの庭に面する広縁そして和室へとつながり、昔と変わらない位置に存在しています。
リビングダイニングルーム
4本の大きな丸太の梁は、旧家の応接間にあったものを使っています。天井高3メートルをさらに折り上げて間接照明を配置しました。オープンなアイランドキッチンはシックな色合いで纏め、モダンな鉄骨階段が吹き抜けの中に存在しています。
お施主様の声
以前住んでいた家の雰囲気を残しつつ、また間取りを大きく変えないようにということ、そして水回り等は住みやすくという点をお願いしました。
また、梁や柱等だけでなく、瓦、石等も加工して色々な所に活かしてもらえた点がとても嬉しいですし、我が家の特徴だと思います。

建設地埼玉県川口市
構造在来工法
階数二階建て
延床面積288.72㎡
家族構成40代夫婦と子供2人と70代母