ムク大谷石
【 第10回古材リユース部門 】

かつて多くの地域で組積された大谷石塀。
長い年月、雨風にさらされ続けた大谷石は耐震上の課題から姿をなくしつつある。
ただ廃棄してしまうのではなく、厚みのある無垢材だからこそ資源として再生させ、再築することができる。
高さ1.2m、長さ50m以上の大谷石塀を丁寧に解体し、約200枚の大谷石の資材(300×900×150mm/1枚の板材)として分解する。
表層は長い年月で風化しているが、厚み150mmのなかは未だに美しい色を帯びている。
大判の石材加工技術のある地元業者を探し出し、大谷石を切断加工することで表層を剥き、建替える住宅の内外装仕上げとして再利用した。
50年以上に亘って風化した大谷石だが、切断面は美しい淡緑色の発色を示す。
それらを、インテリアとして設えるだけでなく、大谷石の耐火性/蓄熱性を活かした仕上げ材として適材適所に配置した。
厚みがあって、加工しやすい素材だからこそできる大谷石の再築紹介である。
建設地 | 山梨県笛吹市石和町 |
構造 | 在来工法 |
階数 | 二階建て |
延床面積 | 289.68㎡ |
家族構成 | 葡萄農家一筋の90代祖母(定住)と定年退職して葡萄農家を始めた60代の父(2拠点生活)、建築士で孫の私 |