ご先祖の思いをつなぐ、築90年超の古民家再生リノベーション
【 古民家再築部門 】
ご先祖の思いを未来へつなぐ、築90年延べ47坪の平屋古民家が蘇った。建て替えの方が断然安いコストで出来たにも関わらず、『この家を残したい』というお施主様の強い思いから古民家再生を選択した。小分けにされた部屋で暮らしづらかった間取りを思い切って大きなLDKにし、寒かった室内環境も省エネ基準レベルを超える高断熱化とし、暖かく涼しく、快適な住まいを実現した。半年に渡る工期の中で、現場管理人と携わる職人はその歴史に触れ、様々な思いを馳せた。
天井解体時に現れた小屋組みは『いつも歴史を感じたい』の想いから表しにした。栃の木と思われる堅木の梁は、この数十年住まいを支えてきた主役となる構造材で、4世代に渡り棲み継がれる理由をここで確認した。
いつも見て育った空間にはおなじみのガラスとがあった。リノベーション後も思い出と歴史に触れたいお施主様の要望から、キッチン吊り収納戸に再利用した。その他随所に『昔』を配置した設計と室礼がある。キッチンはこだわりのオリジナル設計デザインで、バイブレーション仕上げのステンレストップを採用。 | |
お施主様こだわりの北側ウッドデッキは、大きく伸びる屋根付きのデザインに。休みの日はこのデッキで何をしようか。正面には緑の借景と広い庭スペースを臨む。LDKからつながる一体性のあるウッドデッキは、友人を招いて食事をしたり語らい合ったりと暮らしの愉しみが広がる心地よいアウトリビングスペースとなる。 | |
寄り付きだった6畳間は玄関ホールに変身。黒い桟の造り付け建具とクリーニングされた古民具が室礼に。思い切って大胆に広くとったことで、シュークロークや収納量を十分に確保することができた。優しい色味の越前和紙貼りの玄関ホールは来訪者を温かく迎える。 |
建設地 | 新潟県加茂市北潟 |
構造 | 伝統構法 |
階数 | 平屋 |
延床面積 | 157.72㎡ |
家族構成 | 40代単身 |