ばさらのある家
【 古民家再築部門 】
曽祖父から祖父、両親そしてお嬢さんへと四代にわたり住みつなぐ
築100年を超える古民家Y様邸です。
古民家鑑定からはじまり再生計画を行い、棟梁が惜しみなく「手間」をかけた
匠の技がたっぷりと詰まった建物として再生されました。
棟梁は初めてこの古民家を見た時、今なお堂々と健在し、幾多の自然災害も
乗り越え、この家が人々の生活のよりどころとなってきたんだなと感じました。
田の字の間取りを活かし南と北二箇所の縁側はそのままに、最新の設備と150年前の
匠の技を現代の匠の技で活かして引き継ぎ一見問題なくみえる部分もあえて手間をかけて
直しながら化粧し直しています。
そして既存材はなるべく残し、新旧の材のコントラストをあえて強調しています。
平屋34坪の室内空間は、合理的に構成され大きな吹き抜けのリビング空間
立派な梁がこの古民家の構造の素晴らしを見せてくれています。
障子にあえて板を張った建具、大黒柱の根元を継ぐ幻の継ぎ手、削り直した木製建具など
こだわりが詰まった古民家がお施主様の思いと棟梁の技で再生されました。
大阪城の大手門の柱にある幻の継ぎ手と言われる「婆娑羅(バサラ)継ぎ手」この家にもあります! これぞ現代の匠の技、吹き抜け空間のリビングにある大黒柱の存在感をひときわ光らせています。 そして、こだわった新旧の材のコントラストも見事です。 |
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建物北側に位置し縁側のある和室6畳、北側の縁側とその建具はお施主さんのお気に入りです。 和室内の仏壇は、丁寧に一つ一つ部材を外し塗装をしなおして復元しています。 この空間は、将来「お客様を招く」ゲストルームとして活用予定との事、きっと訪れたゲストの記憶にも残る居心地の良い場所となります。 |
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[Y様奥様より] この場所に住むことを考え始めたのは3年前の2016年から になります。 別棟の納屋を壊した際、幼少期の思い出の詰まったこの家も 一緒に壊す決断がどうしてもできませんでした。 その後、四半世紀空き家になっていたこの家の片付けをしていた際に、昔の家の美しさに驚いた主人の方から、この家を再生し暮らしたいと言ってくれました。 そこから再生に向けて動き出しました。 今回改修するにあたり棟梁にお願いしたことは、、、、、、、 ・リビングの梁を生かしてもらうこと。 ・子供が走り回れるよう、バリアフリーにしてもらうこと。 ・古いものと新しいものが混在する家にしてもらうこと。 ・現代の生活に合った機能的な家にしてもらうこと。 ・木のぬくもりが感じられる家にしてもらうこと。 ・日当たりと風通しの良い家にしてもらうこと。 ・二か所の縁側を残してもらうこと。 そして完成、生まれ育った家に家族と戻って暮らしていけることは私にとってはこの上ない幸せです。 今後も家族と家と共に成長していきたく思っています。 |
建設地 | 神奈川県小田原市 |
構造 | 伝統構法 |
階数 | 平屋 |
延床面積 | 113.97㎡ |
家族構成 | 40代ご夫婦・子供1人 |