明治25年 町屋(商家)造りの古民家再生、地域貢献の想いを胸に

【 第3回 古民家再築部門 】

明治25年 町屋(商家)造りの古民家再生、地域貢献の想いを胸に

N様邸の家は当時、小江戸と呼ばれた川越街道の川越宿と中山道を結ぶ上尾宿のメインストリートに面していました。そして、上尾市平方地区は荒川の船運でも栄えた街でした。この家の歴史は明治25年(西暦1892年)から始まり、N様邸は代々ご商売をされていた伝統のある旧家。肥料の販売から、薬売り、そして呉服店を営んでいたため、地域の人が常にこの家を訪れていたといいいます。今回の改修工事にあたり、その歴史を大切にし、地域との繋がりを保つ事に配慮しました。また、蔵を解体した時に出た建具や6.5間のたくましい構造の梁を道路面の下屋などに使用し、なるべく再利用を心がけました。同時に躯体の構造補強も行い、外部建具も複層ガラスサッシに交換し、快適な暮らしを支えています。

町屋造りの特徴の一つである通り土間は以前の改修工事の時、壁・天井は新建材で仕上げられていました。今回の再生では、天井に隠れていた梁を表し当時の面影を残しつつ、地域の皆様がふっと立ち寄れるスペースを設けました。
蔵の解体時にあった建具を通り土間と事務所スペースの間に設置し、通り土間からの視線を遮る工夫を施しました。また蔵にあった家具なども再利用し、実用とインテリアを兼ね備えたレイアウトをデザインしました。
担当者と打合せをして出した結論は先祖が建てたこの家を再生、継承する事。蔵を解体した時の材料を出来るだけ再利用していただきました。また、今回の再生で地域への貢献、町おこしの一役を担え、恩返しができれば幸いです。毎年7月には埼玉県指定無形民族文化財の泥隠居祭りが行われます。是非、お茶を飲みにお気軽にお立ち寄り下さい。

建設地埼玉県上尾市
構造伝統構法
階数二階建て
延床面積468.07㎡
家族構成40代夫婦、70代両親、10代の子供達
会社名

 

[thankyou]